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OVERTURE ~風を生む場所~

OVERTURE ~風を生む場所~


 始まりの丘の上 追い風を待ち焦がれた

 飛び方も知らないくせに ただ 風を待っていた


初めて迷子になった時のことを 

僕はまだ 昨日のことのように 覚えている

優しく頬を撫でる春の風が 生み出される場所を

この目で確かめてみたくて


陽が沈む方向に ひたすら歩いた

好奇心という名の 標識に従って…


 恐れを知らない 無防備なタマシイへの 

 帰り道を いつしか見失っていた

 僕らは迷い子だ 大きくなった今でも 

 分かれ道に立つたび イチイチ悩む


見知らぬ町を歩くことで 

僕の血潮は スクランブルの人ごみよりも 激しくなる

自分の意思で登りきる坂道は 

高さと同じだけ 成長した気にさせられる


あと10m… あと3m…

開けた視界には 新しい世界!


 始まりの丘の上 そよ風を身にまとった

 汗ばむTシャツと 胸が膨らんだ

 始まりの丘の上 追い風を待ち焦がれた

 飛び方も知らないくせに ただ 風を待っていた


いつの時代にも 誰の心にも 

闇は訪れて 風のない夜は 不安が立ちこめる


  始まりの丘の上 無風の空 手をかざして

  視界を遮る 朝霧 振り払う

  始まりの丘の上 追い風を巻き起こした

  今やっとスタートラインに 立てたと気づいた

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