5月の風
5月の風に 吹かれて僕は 繁る緑にこの身を委ね
止むことのない森のざわめき 優しくもあり 悲しくもある
「希望」という名の陽射しを 草木まで届けたあとは
「絶望」という名の雨雲を 呼び起こすのが5月の風の使命
「人は誰しも生きていく中で 無気力な日々が訪れるもの」
誰の言葉か知らないけれど…呟いてみた
森が吸いこんだ
「希望」という名の魔法が 解けてしまったからなのか
「絶望」という名の呪いを かけられてしまったからなのだろうか
馬の騎士など存在しない こんな時代に生きる僕等は
自分の足で出口を探す ただ真っ直ぐに 目を逸らさずに
似たもの同士 傷を舐めあう日々は
今日で終りにしないかい?
僕は先に行くよ 光に目を慣らしながら
5月の風は純粋だから 逆らわぬように 追い越さぬように
5月の風は残酷だから 逆らわぬように 追い越さぬように
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