鐘楼から
「誰もが通る道だ」と 脳裏で彼は笑った
大通りでも路地裏でもない 旅人という過程(みち)
気を取り直し 目当ての古びた列車を探す
すべて揃う都会で物足りない 私はなんて欲張り!?
昔絵本で見た景色が
まさか目の前にあるなんて…!
絶え間なく風が吹き抜ける
この町を鐘楼から眺む
退屈を憂いながら
変わらないでと そっと願う
誰もいない木々をくぐり 心は茂みのように騒いだ
不安はいつの間に通りすぎ 田舎の心地を知る
いつも日本で見るお花も
なぜか違う笑みに見える
絶え間なく風が吹き抜ける
あの丘を鐘楼から眺む
希望の色の木立
変わらないでと そっと願う
こんなに高いところまで登ってきたのに
まだ 世界のすべては見えない
絶え間なく風が吹き抜ける
この町を鐘楼から眺む
退屈を憂いながら
変わらないでと そっと願う
絶え間なく風が吹き抜ける
あの丘を鐘楼から眺む
希望の色の木立
変わらないでと そっと願う
もう行かなくちゃ
まだ見たい景色がありすぎて
人生(じかん)がとても足りないの
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