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執筆者の写真さと

ランタン

ランタン


少し急ぎすぎた 旅のはじまり 煙るバイクにまたがる人々のように

「どこに行くのだろう?」 誰もが同じこと

話しても話さなくても 伝わりはしないの


抱いてたイメージと 少しだけ違うような

そのズレを埋めるため この足は踏み出していく


 遅れて走り出した列車は 私のテンポを正すように

 「焦っても 明日は明日だ」

 古いシートに体を預けて眠る


車窓から見えた 民の営み

煙る焚き火で暮らす人々のようで

ここで降りようか? 不意に思い立つ

のろい列車なのに 覚悟は出来ないの


青いはずの空はいつも 少しだけ曇るんだ

自由なはずの私を 何かがさらに駆り立てる


 遅れて焦りだした心は もっとスローを求めていて

 気づいても 過ぎ去った後だ

 古い宿命 何度繰り返すのだろう


ランタンの赤い灯が 道を示すけれど

それに見向きもせず あの旅人はどこへゆく


 遅れて焦りだした心は もっとスローを求めていて

 気付いたら 飛び降りなくちゃ

 古い宿命 それを断ち切りにきたはず


 破り捨てられてた本が 探し求めていた答えで

 気づいたら 書き足さなくちゃ

 そして私も 後ろを破り捨てなくちゃ

 

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