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  • 執筆者の写真さと

それでも

それでも


座り込んだ地べたから 何を感じたか

動いているこの街 大きななうねり


歌おうと思ったのに走り出すペン

伝えようと思ったのに 入ってくる何か


 風に消えてゆく声が

 それでもにわか雨のように

 人知れず世界を 冷ましていたらいい


立ち上がってみたけれど されど無力で

動きはしないこの街 小さな私


人に会いに来たのに 孤独に襲われ

虚構を憂うつもりが 虚勢を笑われ


 多くを望みはしないけど

 それでもあきらめはしない

 せめてあなたが昨日より 少し幸せならいい


「応援」してほしいんじゃないんだよ

気持ちはうれしいけど

でもね 差し出された缶コーヒーの

そのぬくもりで生きている


 風に消えてゆく声が

 それでもにわか雨のように

 人知れず世界を 冷ましていたらいい


 多くを望みはしないけど

 それでもあきらめはしない

 せめてあなたが昨日より 少し幸せならいい


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