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  • 執筆者の写真さと

電子レンジ

電子レンジ


親の反対を押し切って 上京して もうすぐ二年

「遊人」は口をそろえて言う

「一人暮らしはいいよなぁ」


そんなの半年で飽きちまうよ 

ほら だんだん部屋は ホコリっぽい

そして そろそろ布団は湿っぽい 

脱ぎ捨てた靴下 壁にポイ


重く冷えたドアを開けてもさぁ 

散らかる部屋が 広がるばかり

これから晩メシを作るのは

あまりにもブルージーさ


理想と現実とのギャップに 

今にも押しつぶされてしまいそう

あの頃の情熱も 今となっては

笑い話のタネになるだけ


 僕の冷え切った心も この冷凍ピラフのように

 電子レンジで温められたら いいのになぁ

 僕の冷え切った心も コーンポタ-ジュ・スープのように

 他の知らない誰かを暖められたら いいのになぁ


何もすることない24時

好きでもないギター かき鳴らす

苦情が入らないわけがない

何もかもが つまらない


想像してた以上に 自分は 

寂しがり屋さんだったんだなぁ

電話をしても 誰も捕まらないから 

温かい物でも飲んで寝よう


 僕の冷え切った心も このホットミルクのように

 電子レンジで温められたらいいのになぁ

 僕の冷え切った心も このホットココアのように

 他の知らない誰かを暖められるのかなぁ


突然に 電話が鳴り響く

間違いない あのコの番号だ

そんなハッピーエンドが待ってる

…わけが 僕に限っては ない

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