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執筆者の写真さと

窓の開かないバス

窓の開かないバス


窓の開かないバスで 一体どこまで行くんだ?

途中で朽ちてしまうのが関の山だ


どこに行くつもりもない

ただ 風を浴びて 流れる景色を眺めていたかったのに


 些細な不満に文句を吐いて

 自分が何を望んでいたか気づくんだ

 考えもなしに生きている

 そうだ 長生きはしないだろうな


最新の映画なんて観たくもないから

どことも知らぬロードムービーを流してくれ


どのみち意味はない

ただ 風を浴びて 流れる景色を眺め続けるだけだ


 些細な不満に文句を吐いて

 自分がいかにわがままか気づくんだ

 節操もなしに生きている

 そうだ 長生きなどしたくもないな


僕しか知らないこの美しい風景を

カメラの動画で収めてはみるが

きっと家に帰ったら 一度も見返しはしないんだろう

そして僕はまたバスに乗るんだ


 些細な不満に文句を吐いて

 自分が何を望まないか気づくんだ

 考えもなしに生きている

 そうさ 溜息はもうたくさんなのに


 人には聞こえぬように 溜息をつくんだろう


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