海には心があるのかしら
パパに連れられて散歩した海を 今でも夢に見る
大きなものに包まれて 私は自分の儚さを感じてた
波はいつもおおらかで 焦ることを知らない
人はその呼吸の中で生きているのだと 思った
つば広帽子飛んでった いつもよりも蒼い海に
「そのうち返してくれるよ」と パパは笑って言った
時々 海に訪れるたび 私はひそひそささやく
「あの日のことを覚えている?」 海は何も語らない
釣りはいつも退屈で 暴れ出す魚は怖い
何かが浮かぶのを見かけては それと戯れていた
連れ去っていくものもあれば 打ち寄せるものもある
「海には心があるのかしら」と 私はつぶやいていた
不機嫌な波には抗えない どうしようもないほどに
海は何も語らないけど 何か伝えたがっている
つば広帽子飛んでった いつもよりも蒼い海に
「そのうち返してくれるよ」と いつまでも思っていた
連れ去っていくものもあれば 打ち寄せるものもある
「海には心があるのかしら」 ボトルレターの漂着を待つ
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