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執筆者の写真さと

少年たちは木に登る

少年たちは木に登る


 届きもしない枝を掴んで 少年たちは木に登る

 不自由のない地表なんかじゃ 生きた心地がしないのだと

 光を追いかけて どこまでもどこまでも


ビルとビルの隙間には 公園に続く抜け道

きっと地元の人たちさえも 知らないことなの

子供たちがやけに早く帰ってきたりするのは …あぁ!


公園の塀 よじ登れなくて いつもあなたに追いつけなかった

「それ以上遠くに行かないでね」 心の中で つぶやいていた


 冒険だけが人生じゃない 少女の私も気づいたけど

 快適な日々 飽きてしまうと また冒険に還っていくのよ

 あなたを追いかけて どこまでもどこまでも


コンビニのサンドイッチは 昔よりは美味しくなった

もしや公園(ここ)のハトたちは 知っているの?

慈悲の心はあるつもりでも 寄ってくるハトが怖くって 


大きな体 うらやましくて いつもあなたに憧れていた

大きな手のひら 差し出されて 夢中で走って つかみ取った


 届きもしない枝を掴んで 少年たちは木に登る

 不自由のない地表なんかじゃ 生きた心地がしないのだと

 光を追いかけて どこまでもどこまでも


「桃色の雪が舞う 奇跡のようなこの国で

 不可能と言い切れることなんて なに1つないんだよ」

小さな無邪気な哲学者のその言葉は 春になるたび思い出す


 届きもしない枝を掴んで 少年たちは木に登る

 それは本当に奇跡のように いつの間にか空にいる

 痛みなど恐れずに どこまでもどこまでも


 痛みなど恐れずに どこまでもどこまでも


 冒険だけが人生じゃない 大人の私は知っているけど

 快適な日々 幸福じゃなくて 結局どこかに行きたくなるの

 あなたを追いかけて どこまでもどこまでも


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