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執筆者の写真さと

古い小説を

古い小説を


シャイではだめだと あなたに声をかけた

それは色んな意味があって 色んな目的があって


私をどこか遠くへ 連れてって 連れてって

見たことのない町まで 町ですらない場所まで

あなたの手をにぎったなら きっと弱音もはかないわ


 古い小説をポケットに詰め込んで

 それが物語を紡いでく気がする

 屋根裏の部屋で かまわないの

 それもどこかで読んだディテールの1つ


あなたが善い人すぎてマズった

目的の1つがなかなか叶わない


私をどこか遠くへ 連れてって 連れてって

女は欲張りなのよと 口をとがらせても

あなたは勘違いして 真意は伝わらない


 同じ小説を食堂で見かけて

 これは運命だと確信する

 順調にはいかぬ 壮大なドラマを

 私と同じように編んだ人がいて


褪せたページと同じような色の村を

何が起こるでもなく歩いていく

束の間の平穏は物足りなくて でもホッとする私もいて


 古い小説をポケットに詰め込んで

 それが物語を紡いでく気がする

 屋根裏の部屋に もう置いていくわ

 それが誰かの目に 留まるように 


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