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  • 執筆者の写真さと

冬の夜が長い理由

冬の夜が長い理由


夕食の匂いがする頃まで 飛び回ってた季節は過ぎて

いつの間にか お日様は僕らよりも 早く帰るようになった


涼しい風は 思い出を連れた旅の途中で

必ず同じこの季節に 僕を連れ戻しにやってくる


快適と多忙の入り混じる部屋に 一日中いるから

最近じゃ そんな気持ちで 胸を熱くするなんてことも無くなった


 「たまには帰っておいでよ…」

 そう 未来の自分に言いたかったけど

 きっとその呟きは 街の雑踏(こえ)にかき消されて


 壁に描いた夢を 今こそ太いイシで縁取る

 落書きもヘタな鼻歌も 時に誰か 喜ばすよ

 そうだ 忘れてしまうところだった

 自分がくれたメッセージを


三段飛ばしで駆け上った 境内に続く階段も

半分上って息を切らす 現在(いま)の僕を笑う小さな影…


 「たまには帰っておいでよ…」

 そう 未来の自分に言いたかったけど

 きっとその呟きは 街の雑踏(こえ)にかき消されて


 未熟なタマシイ1つ 眠れぬ夜空に打ち上げる

 飛び散った微かな希望を 飛び跳ねて 掴み取るよ

 今日は眠れなくてもいいや

 キレイな月を 見ていよう


微かに聞こえる…

揺れる草木と虫たちが奏でるハーモニー

いつの間にか 僕の寝息も加わって

闇夜のコンサート

不思議な音色に魅せられた月は

いつまでも帰れずに

少しずつ 夜は長くなって…


やがて 冬が訪れる

 

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