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ファングーラオ通りの憂鬱

ファングーラオ通りの憂鬱


いつの間にかここも 欧米風のカフェがきらびやかに並ぶ

バックパッカー通りって こういう意味じゃなかったんだけどな

欧米人は女性でも 大きなリュック背負ってたくましいけど

なぜか ジモティ食堂でフォーとか食べない


変わりゆく旅の風景に 少し哀愁も覚えるけど

「歩き方」なんて無かったよ とおじさんたちには言われる


 ホームレスの物売りに声をかけられなくなって

 卒業式よりもさみしくなってる僕がいる

 涙を流したりはしないけど 今日はここから動けそうもない


造ってんだか壊してんだか 超高層のビル群が大きな音たてる

発展途上国って こういうものじゃなかったんだけどな

そんな時代の風景を 僕だって見たことはないのだけれど

僕が憧れたホーチミンとは そういうのどかな町だった


変わりゆく旅の風景が それぞれに名物になっていく

安宿さえも無かったんだよ とおじさんたちには言われる


 うっとおしいバイクの群れが姿を消してしまって

 お葬式よりも絶望している僕がいる

 泣いているヒマなら腐るほどあるけど 早くこの街を抜けていこう


おんぼろのローカルバスを好む旅人も減り

パックツアーのようにピカピカのバスに列が出来る

君は君の好きでいいよ とも言えないんだよ

乗客が減ったら ローカルバスはなくなってしまうから


 ホームレスの物売りに声をかけられなくなって

 卒業式よりもさみしくなってる僕がいる

 涙を流したりはしないけど 今日はここから動けそうもない


 うっとおしいバイクの群れが姿を消してしまって

 お葬式よりも絶望している僕がいる

 泣いているヒマなら腐るほどあるけど 早くこの街を抜けていこう

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