シュローダー
裏通りの雑貨屋さんで オモチャのピアノを掘り起こした
アンティークな歌声に 郷愁をくすぐられたんだ
シュローダーになった気分で 弾いて惹かれて
2本指しか使えないのが もどかしいけど
トレモロのストリングスが 頭の中でサラウンドした
控えめに刻む 壁の時計の秒針は バラードにぴったりで…
薄暗がりの部屋で 僕は消えかかっていて
それは闇のせいなのか それとも…
乱暴な不協和音で 沈むチャチな鍵盤で
おぼろげな存在を 確かめる
裏通りの雑貨屋さんで 昔買った落花生型(ピーナッツ)の貯金箱
空っぽでも 僕にとって宝物であるという事実
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