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執筆者の写真さと

かすむ町並み

かすむ町並み


タバコとお香と排気ガスと 車が通れば砂ぼこり巻き上げ

かすむ町並みは神聖でもあり みすぼらしいものでもあり


無口な親父の食堂の隅で どうしてカレーが大盛りか思案

出稼ぎで日本に行った息子と 同じ目をしていると言う


難しい授業は必要ないな 旅をしてるといつも思う


 暮らすように旅をして 旅を忘れてそこに暮らす

 どこの町並みが良いでもないけど

 暮らすように旅をして 旅を忘れてそこに暮らす

 いつの間に僕も埃臭くなって 赤茶けてきて


タバコとお香と排気ガスと 女性が通れば香水も混じる

でもその匂いが懐かしくなり もはや第二の我が家のようだ


見上げれば向こうは ビルが立ち並び この町もいずれ死んでいくだろう

この風情を守る無口な親父と それを造り変える その息子と


社会の授業は必要ないな 旅をしながら色々に思う


 暮らすように旅をして 旅を忘れてそこに暮らす

 どこの習慣が良いでもないけど

 暮らすように旅をして 旅を忘れてそこに暮らす

 いつの間に僕も木のイスに慣れて ダベる親父らを見てる


愛想よく微笑み 話しかけても 変人扱いされないからいい

僕が異国を旅する理由は およそそれくらないしかないのかも


 暮らすように旅をして 旅を忘れてそこに暮らす

 カレーが大盛りでも食べきれはしないけど

 暮らすように旅をして 旅を忘れてそこに暮らす

 いつの間に僕もタバコさえ慣れて 食堂で日記を書く


 暮らすように旅をして 旅を忘れてそこに暮らす

 カレーの増量は フルーツに変わって

 暮らすように旅をして 旅を忘れてそこに暮らす

 いつしかここが終の棲家かな? そんなこと 考えながら

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